亡くなった親や祖父母の名義になったままの不動産
亡くなった人の財産(遺産)は、相続手続を経て相続人に引き継がれなければなりません。
身近な方が亡くなった後、銀行預金や死亡退職金や保険金などの手続きは、会社を休んだり少々面倒な書類手続きであっても、お金が手に入るため、すすんでやる人が大多数ですが、すぐには売れない家や土地の不動産に関しては、相続登記(名義変更)をせずに放置する身勝手な人が多くいます。
これが原因で結局、多くの所有者不明土地問題や空き家問題に発展している訳ですが、現在の相続登記に関する法律に罰則規定がないために(これは正直なところ「法の欠陥」だと思いますが、)実質、相続登記するかしないかは相続人の良心に任されているような状態になってしまっているからです。
では本来、遺産の相続手続は、いつまでにすればいいのでしょうか?
相続放棄/限定承認は速やかに
亡くなった人が借金を抱えていた場合など、相続放棄または限定承認ができるのは、民法915条により原則3カ月以内と定められています。この相続放棄/限定承認の手続きを怠ると、借金も相続しなければならず、故人に代わって支払わなくてはいけなくなります。
ただし、借金もあるが不動産もいくつかある、預金口座がわからない等、遺産の調査そのものに時間がかかる場合は、家庭裁判所に期限の延長を申し出ることもできます。
もしも、故人の資産と負債のどちらが多いのかわからない場合には、相続放棄ではなく「限定承認」(民法922条)をすれば、遺された財産の額までしか借金を返さなくてよくなります。
ただし、相続放棄は個々の相続人が単独で行うことができますが、限定承認の手続きは、相続人全員の合意で行う必要があります。つまり、相続人の中にハンコ(実印/印鑑証明)を押さない人がいれば限定承認はできません。
遺産分割協議は10か月以内に
相続税は、相続の事実を知った翌日から10カ月以内に申告しなくてはなりません。申告をしないと延滞税が課されたり、それまでに遺産分割協議書を作成していなければ、たとえ相続人同志でそれぞれの取り分について「口約束」をしたとしても証拠がありませんから、法定分割されたものとして相続人それぞれに課税されることになります。
相続税は、「3000万円+600万円×相続人の人数」を超える財産を相続する場合に発生します。相続人が1人であれば3600万円、3人であれば4800万円を超える場合は相続税がかかります。(超える額が1000万円以下の場合でも税率10%)
相続財産には、現金・預金の他に、不動産や株、投資信託、自動車、宝石貴金属などの高価な品物やゴルフの会員権なども含まれます。以前は最低でも約6000~7000万円以上の遺産がないと相続税はかかりませんでしたが、2015年の基礎控除額の引き下げ改正により、相続税を払わなければならない人が増えたので、注意が必要です。
「親が残しているお金から相続税を払えばいいんでしょ?」とお気楽に思っていると、相続の取り分などで一部の相続人が納得せずに遺産分割協議書が調わなかったり、ハンコを押さない人がいる場合には、故人の口座は凍結されたまま預金がおろせず、納税期限が来ても払えない事態にもなります。
家や土地は共有状態にせず極力単独名義で変更登記する
故人の不動産を、相続登記せず放置しても、評価額が低く相続税がかからないような場合には、すぐに直接目に見える損失はないように見えます。
しかし、不動産所有者の変更登記をせず放置すると、名義人は故人のままでも、法的には全相続人で共有している状態になります。
相続税は、評価額が低い地方の場合だと、よほどの豪邸でないかぎり、かからない場合が多いですが、土地が100坪以上あったり、地価評価額が坪30万円以上するような所なら注意が必要です。
事実上、相続人のうちの誰か一人がその不動産を占有している(例えば長男がそのまま住んでいる等)としても、故人名義のままで相続手続(遺言や遺産分割協議に基づく変更登記など)をしていなければ、預貯金等も含め全て法定分割されたものとして、相続人全員に相続税の督促が来るでしょうし、小規模宅地や配偶者の相続税控除の優遇特例も申告期限が過ぎていて使えません。親族間での口約束だけで、「自分は相続していないはずなのに。」などと言っても、正規に遺産分割協議もしていなければ公に証明できませんし、文句も言えません。
相続登記をしなくても、固定資産税(市町村の管轄)は必ず徴収されます。名義は故人のままでも、現に住んでいる人、近くに住んでいる人など、相続人のうち最も負担するのが適当と思われる人のところに市町村から請求が来ます。長男だとか二男だとかは関係ありません。最も適当と思われる者のところに来ます。それが誰も利用していない空き家や土地であっても、固定資産税は垂れ流しで払い続けないといけません。
相続手続未了のままでは売却もできず、長男が実家から遠く離れた地で家庭を築いている場合など、地元に居て現実に固定資産税を払い続けている弟などに相続させるよう遺産分割協議書を作り、その人の名義に変更登記するか、共有のままにするのなら固定資産税の支払を分担するなどすべきですが、共有名義の誰かが亡くなっていけば、その子・孫と相続人が増えてゆき、結局、解決が困難になっていきます。
このように、相続手続を放置すると、不動産が共有状態になってしまい、家族・親族の間にずっと引きずる問題や面倒な手続きが残ります。
それでも解決しようとせず代が進んでしまうと、相続人(共有者)の数が増え、もはや解決できなくなり、「所有者不明土地/空き家問題」に発展してしまいます。
なので、相続が発生した時に速やかに、あたりまえに相続手続きをすることが、責任ある人間として大切なことだと思います。
そのためには、日頃から、きょうだい・親族間で仲良くしておくことも予防策の一つですが、
不動産の相続は、放置せず、相続人のうち極力一人の単独名義で変更登記することが、将来的に「所有者不明土地/空き家問題」にさせないための最善策となります。
最近では、相続時の登記義務付けを検討する方針が打ち出されており、前述のように、いよいよ2020年以降、罰則規定など、登記義務化の法改正がされるものと思われます。
その後、↓
※2021年2月10日に法制審議会民法・不動産登記法部会第26回会議において民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱が決定され、同年4月21日の参議院本会議で成立しました。
相続登記義務化は2024年4月1日から施行されることとなりました。
・相続で不動産取得を知った日から3年以内に正当な理由がなく登記・名義変更手続きをしないと10万円以下の過料に処す。
・所有者が氏名変更/住所変更した場合も変更登記が必要で、2年以内に正当な理由がなく手続きをしないと5万円以下の過料に処す。
・法改正以前から所有している相続登記/住所等の変更登記が済んでいない不動産についても適用される。
心当たりのある方は、早いうちに手続きをした方がよいと思います。
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