昨年、平成30年度から町内会役員(会計)を引き受けることになり、この4月末に総会で決算報告をしたところです。
1年間、町内会役員をやってみて分かったことですが、
町内会が持つ公民館などの不動産も、「所有者不明土地・空き家問題」と根っこが同じ問題を抱えているところが多いということ。
どういうことかというと、法人格を持たない団体は「任意団体」であり、法律的には「権利能力なき社団」といって、ママさんバレーや子供のサッカークラブなどの「集まり」と同列のものです。
会社法や各種法人法に基づいて設立され、「定款」という組織の規則を守り、法人格を持つ「○○会社」や「○○法人」といった正式な「組織」ではなく、悪く言えば同じ所に住んでいる(地縁)というだけの、ご近所の井戸端会議の拡大版、あるいは昔ながらの村の長老会議のようなグループということです。
町内会長という親分に役員や町民が隷属しているような関係で、規約はあっても永年改正もされなかったり守られていなかったり(親分の鶴の一声で何でも決まる。)、逆に都会などでは、住民同士の関係がドライ過ぎて、班長や町役員はおろか、町内会長までも1年ごとの「輪番制」にしているようなところもあるようで、それはそれで問題ですが、いずれにしても、任意団体である(法人格を持たない)町内会には個人や法人のような「権利」はなく、所有権もないので、そのような町内会は不動産の登記名義人にはなれないため、公民館の土地建物は個人名義、つまり会長個人や役員の共有名義などで登記しています。
そして、任意団体のままの町内会の多くは、町内会長が代わっても登記名義の書き換えを失念していたり、書き換えのたびに登録免許税が掛かるので住民に説明もせずバックレて放置していたりして、取得・設立した当時の町内会長や寄附者などの故人名義になったままになっているような場合も多いようです。
個人の家・土地の相続と同様、そのまま放置しておくと、登記簿上の名義人(故人)の相続人との間でトラブルになったり、公民館が手狭になったり老朽化したりして移転新設等したくても、旧い公民館の土地建物を売却したりできないなどの問題が生じてきます。
戦後から昭和の時代までは、自治会や町内会といった組織は法制度上、法人格を持つ手段がなく、集会所などの土地・建物を町内会で事実上所有・管理していても、団体名での不動産登記ができないため 代表者個人の名義や役員の共有名義などで登記するしかないのが実情でしたが、平成3年4月に地方自治法が改正され、町内会の規約や区域図、会員名簿などを市町村の認可基準に合うよう整備し、市町村長に申請し、市町村の認定基準を満たした認可地縁団体となることで、会社設立などに比べれば比較的容易に、かつ費用も掛からず町内会に法人格が付与され、町内会名義で登記ができるようになりました。
さらに平成27年には登記手続きの特例(簡略化)も創設され、これまでは法人化しても登記義務者(名義人の相続人全員)と登記権利者(認可地縁団体)が共同で変更登記を申請しなければならず、相続人が転居してしまっていたりして全員の書類や印鑑がそろわず、登記手続きが頓挫することが多かったのですが、この改善策として、市の認可を受けて「認可地縁団体」になった後、公示手続を経て市から所有権に関する証明書を発行してもらえば、認可地縁団体(登記権利者)の単独申請により町内会名義で登記ができるようになり、さらに登記手続きが容易になったことで、今後、全国的に町内会の法人化の流れは加速すると思います。
とはいえ、認可地縁団体となる(法人化)手続きは、慣れない一般人にはハードルが高い手続きかもしれません。しかし、一旦法人化してしまえば、町内会の名義で不動産を登記することができ、会長が交代するたびに登記名義人を書き換え、登録免許税(評価額の2%)を払う必要もなくなりますし、売却や建替えなどもできるようになり、登記を永年放置することによる各種弊害・後顧の憂いがなくなります。
行政書士という書類作成/書類手続のエキスパートである私が役員に名を連ねているということで、ようやくこのたび、法人化しようという動きになり、現在、スケジュール作成や要処理事項の洗い出し、業務処理計画や規約の改正案、選挙管理委員会の運営細則案の作成などに着手したところです。
町内会の「認可地縁団体化」/「法人化」ってどうなの? とお考えのあなたがこのページをご覧になっているなら、一度、私に相談してみて下さい。
何かしら良いお手伝いができるかもしれません。