個人事業主の方の建設業許可取得を支援しました。

なかなかハードなお仕事でした。
建設業許可申請といえば、行政書士に頼む仕事のうちでも最もポピュラーな業務の一つといってもいいのでしょうが、私はこれまで、この業務についてあまり積極的にはアナウンスしてきませんでした。
その理由の一つは、そもそも私がこの仕事をしようと思った契機・モチベーションが家族の介護や手続きであり、相続・遺言や空き家問題などの「民事法務」に注力したかったこと。
許認可申請の代理・代行は、行政書士の仕事としてはもちろん王道ではありますが、ゴールは「許認可の取得」であり、決められた書式や資料を整え申請をすればよいので、申請手続きの難易度や申請者個々の事情の違いはあっても、許認可取得までの道筋は概ね一本道ですが、民事法務の分野は、多くの場合答えは一つではなく、個々のお家の事情等によっても、それを解決しようとする我々士業者の手腕によっても、何通りもの筋道やゴール、落としどころが考えられ、弁〇士のように法律を盾に依頼者の利益のみを追求し、相手方と対立するのではなく、家族や家の全体最適を考え、関係者のなるべく全員が納得できるような答えを見つける、そういう仕事(予防法務)がしたかったからです。

とはいえ、行政書士の看板を掲げているからには、色んなお仕事の依頼をお受けします。
他の先生方に次々と断られたあげく、私のところへ来られる方もあります。

そもそも建設業法に基づけば、500万円未満の工事を受注して建設業を営む分には、建設業許可は必要ありません。
ところが昨今、発注者や元請業者が、コンプライアンス等監理のために、下請けや孫請け業者にまで建設業許可の取得を求めるような風潮がみられ、もともと500万円以上の仕事なんてまず請負うことのない個人事業の建設業者の方たちまでもが建設業許可を取得しなければいけないようなプレッシャーを受けているようです。

建設業の県知事許可や国交大臣許可を取得(登録)する想定対象は、概ね「会社のような組織」です。
500万円を超える大きな工事を受注し、下請けや孫請けを使ったり、時には自らが元請けとなって、契約書、発注書、見積書、請求書、図面を正しく発行、保存し、簿記、決算、納税といった事務管理をキチンとできるような業者でなければ、新規の許可取得は言うに及ばず、5年ごとの更新申請をするための書類を整えることがそもそも難しいからです。

元請会社から毎回きちんと発注書も出されず、時にはポンチ絵だけとか、電話だけで仕事を請けていたり、その時限りの仕事の仕方で、簿記はおろか、発注書や見積書、請求書などをファイルに綴じて管理することもなく、家計用と仕事用で通帳を分けずに一緒くたにしているような、いわゆる「ドンブリ勘定」の個人業者は、本来許可を受け、県や国に登録しなくてもよいのです。
逆に言うと、建設業許可を取得するということは、そういった管理業務をしっかりとやらないといけなくなるということです。
ちゃんとした「会社」がしているような、書類・図面整理や簿記記帳、決算や確定申告を、自らするか、税理士に頼んででもする覚悟がなければ、毎年の決算に継続性がなかったりして、5年後に更新申請する時に辻褄が合わなくなります。

初回だけは何とか書類を整え建設業許可を取ったとしても、その後、また元通りのドンブリなやり方を続ければ、5年後の更新時には、申請のための書類を整えるのが大変で、諦めざるを得なくなるかもしれません。
とにかく初回だけ通ればいいと言うような、いい加減な仕事はしたくありませんので、建設業許可をご依頼の節は、許可の取得以降は事務管理をキチンとする、相応の覚悟の上でご依頼頂ければと思います。