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2018年6月、 40年ぶり、民法(相続関連)改正案可決!

2018年3月13日に閣議決定され、国会に提出されていた、遺産相続などに関する民法改正案が、2018年6月13日 可決成立しました。

民法の相続分野の見直しは40年ぶりのことで、今回の改正案は高齢化社会への対応を目的としたものです。

この改正で、私たちの生活にどのような影響メリットがあるのでしょうか?

今回の相続分野の見直しで、変わるポイントは大きく6つです。

改正ポイント1: 配偶者居住権が新設される。
改正ポイント2: 結婚期間20年以上の夫婦は、住居の贈与が特別受益の対象外に。
改正ポイント3: 遺産分割前に生活費や葬儀代などを引き出せる。
改正ポイント4: 故人の介護や看病で貢献した親族は金銭請求が可能となる。
改正ポイント5: 法務局で自筆証書遺言を保管してもらえる。(検認も不要に。
改正ポイント6: 遺言書の財産目録は自筆でなくてよい。(PCで作成可能に。)

※施行日は、2018年11月21日付官報で公示されました。
 各改正条文の施行時期は、各ポイントごと赤字で追加記載のとおりです。

ポイント1の解説

・「配偶者居住権」とは、住宅の権利を「所有権」と「居住権」に分割し、配偶者が居住権を取得し、所有者が誰になっても、配偶者がそのまま住み続けられる権利です。現状の制度でも、配偶者が自宅を相続すれば住み続けることも可能ですが、「この家は妻に遺す」などの遺言がなかったりすると、平等を主張する相続人の意見が強ければ、自宅不動産も含めた全遺産を全相続人で分割しようとしたり、遺産のうち不動産の占める割合が多ければ、他の相続人に代償として金銭を支払う必要があったり、その金銭もなければ、家を売りに出さざるを得ないケースも出てきます。
家の所有権は子供にやり、配偶者は新設される「配偶者居住権」を利用すれば、自宅に住み続けた上で、生活資金も確保できるようになります。
(2020年4月1日施行)

ポイント2の解説

・配偶者が住居を贈与、遺贈されたときは、現行法では、その住居は特別受益と評価され、遺産の総額に戻し入れた上で、遺産分割対象とされるのですが、今回の改正では、結婚歴20年以上の配偶者に贈与された住居は、遺産分割の対象外となるため、住居以外の財産のみが分割対象となり、配偶者が預貯金等の財産を受け取れないという事態が生じにくくなります。
(2019年7月1日施行)
 ※ ただし、ポイント1も同様ですが、配偶者の相続分が増えることになるため、その配偶者が亡くなった時(二次相続)に、子が負担する相続税が大きくなることとのバランスを考える必要があります。

ポイント3の解説

・被相続人(故人)の遺産は、「誰々に相続させる」との遺言がない場合は、亡くなった時点で相続人全員によって共有している状態となるため、銀行に預けているお金を、遺産分割協議が成立する(銀行によっては相続人全員の戸籍書類や実印を揃える)まで、勝手に引き出すことはできませんでしたが、今回の改正で、生活資金や葬儀代などを被相続人の預貯金から仮払いしてもらうことが可能となります。(金額は、法務省令で上限150万円まで。)
(2019年7月1日施行)

ポイント4の解説

被相続人の生前に介護や看病で貢献した親族に考慮した改正で、法定相続人ではない親族(例えば長男の嫁など)が被相続人の介護や看病をするケースがありますが、現行法ではこの場合の当該親族は、遺言がない限り、介護や看病に対しての何らかの報酬を受けることはできませんでしたが、今回の改正で、相続人以外の親族(姻族含む)が被相続人の介護や看病などの貢献をした場合、相続人に金銭を請求できるようになります。ただし、あくまで親族が対象で、家政婦などが介護や看病をした場合は含まれません。
(2019年7月1日施行)

ポイント5の解説

・被相続人が作成した自筆証書遺言は、自宅で保管するか、弁護士や税理士その他の士業等の専門家や、銀行の貸金庫に預かってもらうなどの方法が主流ですが、特に自宅での保管は、遺言書の紛失・偽造・隠匿・破棄等の可能性があり、トラブルに発展する恐れがありました。
今回の改正で、 作成した自筆証書遺言を法務局で保管してもらうことができるようになります。これにより、紛失や偽造・隠匿等のリスクは少なくなるでしょう。

さらにこれまで、自筆証書遺言が見つかった場合は、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要で、検認手続きをしないと、正式に遺言書があると認められなかったのですが、自筆証書遺言を法務局で保管してもらえると同時に、検認手続きも不要となるため、相続手続きの時間短縮につながると思われます。
(2020年7月10日施行)

ポイント6の解説

・自筆証書遺言は、現行民法では自筆(手書き)で作成しなくてはならず、財産目録(※)についても手書きの必要がありましたが、今回の改正で、財産目録の部分は手書きでなくともよくなり、パソコンなどで作成したものや、通帳のコピーなどに署名・押印をしたものが添付できるようになります。
(2019年1月19日施行)

※ 財産目録とは、
被相続人の財産を一覧にまとめたもの。預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金や住宅ローンなどのマイナスの財産も対象となります。財産目録の作成は義務ではなく、必ずしも必要ではありません。

今回の改正民法は、近年の高齢化社会に対応するため妥当なものであり、相続手続きの簡略化や、相続登記の放置などの社会問題改善にも少しは貢献するものと思います。
とはいえ、相続の手続きには、市役所や銀行のほかに、「家庭裁判所」や「法務局」や「公証役場」などなど、一般の人々にはなかなか馴染みのない役所への慣れない手続きばかりです。平日働いている方ならば、手続きのためにお休みを取る必要もありますし、それなりの知識も、それなりの手間暇も必要です。

面倒な手続きは、我々専門家に任せてみてはいかがですか?

コストを最小限にするためなるべく自力で手続きしようとする方もおられますが、手続きの仕方や根拠などを調べる時間も、銀行や役所に出向き、アレが足りない、コレが必要と、担当者とのやり取りに費やす時間もバカにならず、役所の手数料なども思っているよりもかかります。不慣れなことも手伝って、結構な手間と時間と費用がかかりますし、何より、途中で疲れたり、嫌になったり、結局、相続手続が完結しないということも往々にしてあり得ます。

その手間と時間、結果を考えれば、最初から信頼できる専門家に任せたほうが、結局はコストパフォーマンスが良いのではと思います。

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